横顔の君




「本当!?
わぁ、楽しみ~!」



いつもと変わらない日々が数か月過ぎた頃だった。
まどかが連休を利用して、こっちに遊びに来ると言い出した。
なんでも、うちの近所のことをテレビで見たらしく、ぜひとも見てみたいと思ったらしい。
連休は、照之さんと遊びに行こうかなって考えてはいたけれど、まだ具体的なプランも立ってなかったし、こういうことは滅多にあることでもないから、私はまどかに付き合うことにした。



「私も楽しみ。
実はね、あんまり近く過ぎて、まだ入ったことないお店も多いんだ。」

「あ~、わかる~…
近いといつでも行けるって思うせいか、意外と行かなかったりするよね。」

「あちこち見て回ろうね!」

「うん!あぁ~、今からすっごい楽しみ…!
あ、紗代に会うのも楽しみだからね!」

「なによ、それ!
ひっどーーい!」



当日、まどかにはうちに泊まってもらうことにした。
お店を見ながらさんざんしゃべって、それでも夜にはまた夜通ししゃべってしまうんだろうな…



よくもそれだけしゃべることがあるもんだって呆れる程、いろんなことを話して…
あ、照之さんのお店にも連れて行こうかな?



ふと、そんなことを思った時に、トモのことが思い出された。
小学生の時からの知り合いで、中学になってから仲良くなった。
それは、親友と呼べる関係で、私は彼女に何でも包み隠さず話してた。
彼氏が出来た時もすぐに話したし、トモに紹介もした。



そして…盗られた……



まどかはトモとは違う。
そうは思うものの、やっぱりどこか心配だった。
照之さんのことだって信じてる…
あの人は、私を裏切るような人じゃない。



それでも、やっぱり、心配だった。



< 102 / 130 >

この作品をシェア

pagetop