横顔の君
少し遅いランチを採って、満足した私達は、それから買い物に出かけた。
まどかの住んでる町は、けっこう田舎の町だからか、何を見ても本当に楽しそうで、手当たり次第に店をのぞいては買い物を続けた。
私もちょっとばかしお財布のひもを緩めて、気になった雑貨や服を買った。



「ねぇ、まどか…これとこれ…どっちがこのスカートに合うと思う?」

「う~ん…どっちも良いけど、紗代に似合うのはこっちの方かな。」

「やっぱり?
じゃあ、こっちにしようっと。」



(今度、照之さんと出かける時に着て行こう…)



そんなことを考えながらの服選びは、とても楽しい時間だった。



「あ、もうこんな時間……
そろそろ帰る?」

「何言ってんの?
これから夕飯食べて…あ?お母さん、ひとりにするとまずい?」

「ううん。今日はお母さんも出かけてて、まだ帰ってるかどうかわからないし…」

「そっか…じゃあ、夕食だね!
夕食も行ってみたいお店があるんだ!」



そう言いながら、まどかが私を連れて行ったのは、本格的関西風のお好み焼き屋さんだった。
外観はお好み焼き屋さんとは思えないおしゃれな店構えで、やっぱりそこにも長い行列が出来ていた。



まどかは朝早くに家を出て来たというのに、少しも疲れを見せず、行列に並んでる間もなんだかんだとおしゃべりを続けてた。



「まどかって、本当に元気だね。」

「そうでもないよ。
今は楽しくて神経が高ぶってるからこんな調子だけど、多分、明日、家に戻ったら疲れが出て魂が抜けるよ。」

「魂抜けるって……」



お好み焼きは本当にふわふわでおいしくて、あんまり期待していなかった私も大満足。
けっこう大食いのまどかにつられて、私もけっこう食べたから、お腹がパンパンになってしまった。
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