横顔の君
あぁ、どうしよう?
どんな格好をしていけば良いんだろう?

まぁ、デートってわけじゃないんだし、あくまでも、一緒に映画を見に行くだけなんだから…
だから、あんまりおしゃれをしていくのはおかしい。
でもでも、初めて二人で出掛けるわけだから、いつもよりはおしゃれをしていきたい。
これは恋する乙女として当然のところ。
そんなことを考えたら、考えはますますまとまらなくなって、洋服やバッグを引っ張り出して来ては、鏡の前で合わせてみて…
おかげで部屋の中には服が散乱して、足の踏み場もないありさま。
なのに、まだ決まらない。
明日なんて急な日程にしてしまったことを後悔し、散らかった部屋の中で私はひとりパニックに陥っていた。




(あ、大変!
もうこんな時間!)

柱時計の示す時刻に気持ちが焦る。
早くお風呂に入って、今夜はパックもしなきゃ。
明日はランチを一緒に食べて、それからお昼からの映画を見ることになっている。
限りなくデートに近いスケジュール…

そんなことを考えると途端に頬が緩む。



やっぱり、少しくらいおしゃれして行っても良いよね?
それとも、そんなことしたら、浮かれてるのがバレてしまう?

考えれば考えるほど迷いってものは増えていく。
だめだ、だめだ!もう考えないようにしなくっちゃ…

無理矢理に服を三着に絞って、他のをせっせと片付けた。



こんなことなら、来週の土曜日にして、その間に新調すれば良かったかな?
また、今更考えてもどうにもならないことを考える。



あぁ、もう考えるのは中止!
早くお風呂に入ろう。
頭の中の混乱した考えも全部すっきりさせよう。
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