横顔の君




「それじゃあ、また…」



カーディガンに合う服を買って、それから私達は家路に着いた。



家に戻ると、鏡の前でいただいたストールをかけてみた。
素敵…シックですごくおしゃれだ。



鏡の中に、あのカーディガンを着た照之さんを妄想した。
その隣には、同じ色のストールをかけた私…



けっこう似合ってるんじゃないかと思う。
元より、同じ色のものをお互いが選ぶなんて、心が通じてる証拠じゃないかって気がして照れくさかった。



どうしたら、この先に進めるんだろう?
どうして、照之さんの場合だけ、こんなに友達と恋人の境が高いんだろう?
普通なら簡単に乗り越えられるものなのに…



その方法がなかなか思いつかない。
かといって、告白する勇気もないまま、私はいつもと変わらない日々を過ごしていた。



だけど……



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