男嫌いな私が好きになるわけない!
「病院に行かせた方がいいかもしれませんね。今日は早退させます。」
「わ、分かりました…」
先生はそう言うと、担任に報告しに保健室を出ていった。
ベッドを見ると、叶は苦しそうに顔を歪ませていた。
「叶……」
叶の髪をなでてあげると、少し表情が和らいだ。

それから少しして、叶は帰った。
「……あ。」
お弁当食べるの、忘れてた。
「あと10分しか無いよぉ…」
とりあえず教室に向かおう。
ガチャッ
「……失礼しました~」
誰もいない保健室につぶやいて、私はドアを閉めた。
そういえば、岸本くんが呼んできてくれたっけ。
先生に相談すれば、時間をとってくれるかな。
お弁当残したら、お母さんに怒られるかな…。
そんなことを思いながら、長い廊下を歩いていた。


ガラガラッ
中を見ると、まだ先生は来ていなくて教室は騒がしかった。
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