男嫌いな私が好きになるわけない！

知らないうちに手が止まっていたらしく、怒り気味に言われた。
その後は支度をし、いつもより早く家を出た。
何で早く出たかって？女子に絡まれるのが怖いから、早く行こうっていう作戦なワケ。

「萌花～！」
肩の高さくらいまであるブラウンの髪を揺らしながら来たのは、私の親友　足立叶。叶とは幼稚園の頃からいつもいっしょにいる、いわゆる“幼馴染み”っていうやつで。私の中では、一番の理解者、かな。性格は、ストレートでクールだけど優しい。
「叶、おはよ。」
「あっれれ？何かテンション低いね～。何かあった？」
…われながら鋭い。
けど、迷惑はかけたくないし。内緒でもいいかな。
「ううん！何でもないよ！あ、昨日のお笑い番組見た？ちょー面白かったんだよ！」
「う～ん…見てないなぁ。私、そういうの興味ないから。」
それから私たちは、学校に着くまでずっと話をしていた。


「うんうんっ！でね…」
「あっ。もう学校ついたよ。」
叶の声に、前を向くと『南ヶ岡中学校』と校門にかいてある。
…いよいよ、なんだね。ま、聞き流せばいいかな。
「うっわ～…。人がいっぱい集まってるよ。それに騒がしいし。」
「えっ？」
なにやら、超メイクが濃い女子が集まっている。
…確か、いつもこういう大群がいたような…？