素直になれなくて
love 1
「ココ、早くして~

出る時間だよ」


「分かってるよー

今行くからっ」



コテで念入りに巻いた髪の毛を、三面鏡で
しっかりチェックして、洗面台を後にした。



「もーココ遅い!」


「ごめんでば!」



すでに、エンジンをかけてあったお母さんの
薄紫の車に乗り込んで、私がドアを閉めた途端
勢い良く出発した。



「ココ、あんなに嫌がってたのに~

しっかりオシャレしちゃって~ふふっ♪」


「そんなんじゃないし」


「はいはい」



運転しながら、横目で私をチラチラ見てくる
お母さんを気にしないよーにして、ふぅっと
小さくため息をついた。



あっという間に着いた目的地。



新しく出来た、オシャレなレストランだ。




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