嫌いじゃない。
抱き締められながら、背筋をスッと撫でられる。
「〜〜〜〜っ!」
「ははっ可愛い」
バシッ
背中を思い切り叩いた。
「むっかつく。私もう教室戻る」
「えー?ごめんってばー!」
芹沢の腕の中から、するっとすり抜けて、教室へ戻る。
そして私は必死に自分に言い聞かせる。
私は怒ってる。凄く怒ってるんだから。
だから…こんなに顔が熱くなるなんてあり得ないのよ。
こんな変な気持ちになるなんて…
全部アイツのせいだ。
そう、アイツのせいだ。