嫌いじゃない。
「瑞穂先輩ー!帰ろー!」
うわ…また来た。
「今日ぐらい大人しく帰ってなよ。私これから用事あるからさ」
「じゃあ、その用事終わるまで待ってたりしたらダメ?」
「ダメ」
「えぇ?どうしても?」
これは…絶対に1人じゃ帰らないつもりだな。
どうしようか。
「先輩。やっぱり迎えにきちゃいました」
少し懐かしいような、柔らかな心地よい声が聞こえてくる。
「もしかしたら芹沢君に捕まってるんじゃないかと思って。案の定でしたね」
「先輩。この人だれ?」
笑ってるのに、目が笑ってないんですけど。
「昨日話した中学の時からの後輩!」
「あー。例の全国ベスト8の…」
昨日全然話聞いてないと思ってたのに、何かとアレで聞いてたの。