嫌いじゃない。



「瑞穂先輩ー!帰ろー!」



うわ…また来た。



「今日ぐらい大人しく帰ってなよ。私これから用事あるからさ」


「じゃあ、その用事終わるまで待ってたりしたらダメ?」


「ダメ」


「えぇ?どうしても?」



これは…絶対に1人じゃ帰らないつもりだな。


どうしようか。



「先輩。やっぱり迎えにきちゃいました」


少し懐かしいような、柔らかな心地よい声が聞こえてくる。



「もしかしたら芹沢君に捕まってるんじゃないかと思って。案の定でしたね」



「先輩。この人だれ?」



笑ってるのに、目が笑ってないんですけど。



「昨日話した中学の時からの後輩!」



「あー。例の全国ベスト8の…」



昨日全然話聞いてないと思ってたのに、何かとアレで聞いてたの。
< 35 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop