嫌いじゃない。
「ブフッ瑞穂が嫉妬とかっ…プっ谷山達最高すぎか!」
「それな。」
爆笑してる有紗に真顔で言葉を返した。
「先輩〜!HRお疲れ様です!」
いつの間に来たであろう芹沢が、後ろから腕を回してくる。
ドキッ
いやいや。今のはびっくりしただけだ。
「おいやめろ」
「キャー!この照れ屋め!本当は嬉しいくせに〜」
全然嬉しくないわ。
ほら見てみろ。女子の目を。
私は女子を敵に回してしまったんだぞ。芹沢のせいでな。
ムカついたので肘で腹をど突いてやる。
「ぐはっ!」
そのまま後ろに倒れこむ。
ドンっ グキっ
……グキ?
「ご、ごめんなさい!」
「こっちこそ!」
いや。私がごめんなさい。
心の中でそっと謝っておく。
「ってはる君だったかー!」
香川 杏里が口元に手を当てて笑う。
「え…あ、杏ちゃん?!」