嫌いじゃない。

お昼休みーーー


私と芹沢が教室でお弁当を食べていると、「私も一緒に食べてもいいかな?」と香川 杏里が聞いてくる。




はぁ?初々カップルの面倒をみるなんて、私嫌なんだけど。



「いいよいいよ!一緒に食べよう杏ちゃん」



そう即答した芹沢にやたらムカついた。




「やったぁー!」



私は良いなんて言ってないのに。



しかもなんで私と芹沢の間にあんたがいるわけ?



「そういえばはる君。それもしかして…私が前にあげたやつ?」



芹沢がいつも付けている片方だけのピアスを指差す。



「そうだよ」


「私ももう一個の方まだ持ってるんだー!」


ポケットからペアのピアスが出てくる。



私は怖くてずっとあけられてないんだけどねー。と眉を下げる。



だったら買わなきゃ良かったのに。つかペアかよ。付き合ってもないくせにキモ。



「あのね、田中とこないだ久しぶりに会ったんだけどさー…」



つまんな。超イライラする。


気付けば飲んでいたお茶を握りつぶしていた。



机の上にお茶が飛び散る。
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