嫌いじゃない。
翌日の朝。


教室へ向かっている途中、芹沢に会った。



「瑞穂先輩おはよう!」



「おは…」



おはようと言おうとした瞬間、誰かに言葉を遮られた。


「はる君おはようっ!昨日家で貸したCD聞いた?」



「あ、うん。聞いたよ!」



うざ…

教室に入り椅子を雑に引いて座る。そして窓の外を見上げてみると、雨が降り始めてきていた。




まるで私の今の心情を表しているようで笑えた。




芹沢は日が経っていくごとに、私に付き纏う時間が減っていった。



別に悲しくなんかないし、寂しくもない。



それよか、すごく楽になった。



そのはずなのになんでよ…アイツの事しか頭にない自分に腹が立った。



「神崎先輩。今日放課後空いてますか?」


そんな時、矢澤に誘われた。


「もしよかったらスイーツバイキングでも行きませんか?」



そうだ。たくさん食べればモヤモヤなんかどっかに吹き飛んでいくよね。



「わかった」



「良かったです!あと…今週のデートの話」



耳に吐息をかけながら言ってくる。


「……///」



「真っ赤な先輩可愛い。それじゃ、またあとで」



「……っう、ん」



う、うわ……うわうわっ!何今の?!超ゾクッとしたんだけど!



はぁ…それにしても、もう一週間経つのか。早かったなぁ。




ーーーーーーーー
ーーーー………



「美味い!美味すぎる!」



「良かった。連れてきた甲斐がありました。俺は、先輩が笑ってる顔を見るのが一番好きです」
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