嫌いじゃない。
外へ向かっていると「押してダ…」話し声が少し聞こえてくる。


その時、話してた芹沢の笑った顔を見たら、私の何かが切れた。



店の中を走って、芹沢の所に近づいた。


「瑞穂先輩?!なんでここに?」



「…あんた、その子が好きなの?」



そう言葉を発した自分に嫌気がさした。



そんなこと知ってどうするのよ。



「ち、違うよ!」



「じゃあなに?私のこと嫌いになった?それとも付き纏うの飽きた?だから、次はその子の番ってこと?」



「俺、そんなこと別にっ」



「うっさい!」



バシャッ



気づいたらテーブルの上に置いてあった水を芹沢にぶっかけていた。
私、何してるんだろう。こんなことして何になるんだろう。


「っわ!」



落ちつけ。落ちつけ落ちつけ。私冷静になれ。これはダメだ。これ以上余計な事したらダメなのに。わかってるのに…



「芹沢なんか大嫌いだ!お前の顔なんか二度と見たくない!」



言葉が止まらない……。


はぁ…と芹沢が深いため息をついて言った。


「先輩こそ意味わかんないんですけど。
もうわかったよ。もう二度と先輩に近づかないし、話しかけもしない」
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