嫌いじゃない。

確かに先輩の本当の気持ちが分かるかもしれない…けれども!しかし俺は先輩から離れるとか考えられない…。



「気引いてもらうために、しばらくの間、杏里にイチャイチャごっこの相手でもしてもらうとか?」


イチャイチャ…って先輩の前で?!
先輩に勘違いされるなんて…やっぱりムリだ。



「違う方法がいいです……。」



「はるくんの馬鹿っ!こういう決断は大事だよ?!男なら男らしく正しい決断を下そうよ!」



俺は思った。なんで久しぶりに会った幼なじみに、こんな事で説教されているのかと。



ーー悩んだ末、結局作戦決行となった。


「遥と瑞穂。」というこっぱずかしいシナリオがあって、杏ちゃんと佳主馬が蛍光ペンで印までつけていた。



まさか本当に同じクラスになるとは思ってなかったんだけど…。やるからにはしっかりやらなくちゃな。




杏「ご、ごめんなさい!」


遥「こっちこそ!」



よし。シナリオ通り。



「………。」



って瑞穂先輩反応なしー?!



ちょっとぐらいリアクションしてくれても…。




それからシナリオは順調に進めていくも、瑞穂先輩に異変といえば、俺への暴言が酷くなったり、お茶を急に握り潰したり……。



ってさらに嫌われてるんじゃ。






「佳主馬ーっ!やっぱりこれって脈なしって事なのかなー…」



「さぁ?つかマジでアレやってるんだな。せいぜい頑張れ」



おもろしろ気味に佳主馬が言う。
笑い事じゃないのにー!
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