嫌いじゃない。
「最終チェックOKだね!そろそろ入ろう!」
約1時間真剣に練習を重ねていった。
俳優にでもなれるんじゃないだろうかと一瞬本気で思った。
だって俺の演技マジでぱねぇんだもん。
こないだなんか学校で練習してたら、演劇部の人に勧誘されたぐらいだし。
「はる君何ドヤ顔してんの…」
杏ちゃんが変質者を見るような目を俺に向けながら、店員に「2名です。」と言って席まで案内してもらう。
杏「はる君!私、ストロベリーチーズケーキ食べたいな!」
遥「え、どれどれ?」
顔を近づけて…っと
こっそりと瑞穂先輩の方を見てみる。
えーー?!また無表情…ていうか鞄持って立ち上がっちゃってるんですけど。もう帰っちゃうんですかそうですか…俺いい加減泣いてもいいかな…
「杏ちゃん…これやっぱもうやめない?」
「これって…押してダメなら引いてみろ作戦のこと?」
「うんー。やっぱり俺は長期戦で頑張りたいわ。瑞穂先輩の事追っかけ回してる方が俺には合ってると思うんだよね」
「…そっか。はる君が決めたことなら私は応援するよ。でも困ったらすぐに相談してね?」
杏ちゃんやっぱりいい子すぎじゃない?
いい彼氏出来るだろうなぁ。