嫌いじゃない。
酷い事言ったのちゃんと謝るから…芹沢が納得するまで謝り続けるから…だから私を許してよ。お願いだから嫌いにならないで。



悲しい。苦しい。胸が痛い。




「行かないんですか?」



「…誰?」



「芹沢 遥の幼なじみです。」



アイツの幼なじみが何で私に…



「遥のヤツ…あんたが自分から言ってくるのずっと待ってるらしいんですけど。」



はぁ?意味わかんない。芹沢に言う事なんてなにも…



「本当は分かってるんじゃないスか?自分の気持ち。」



親友の鋭い目に思わずゴクッと息を呑む。



いつか有紗が言ってた事を思い出す。



『恋っていうのは、その人をいつの間にか目で追っていたり、ちょっと見かけただけで、嬉しくて幸せになったりするんだ。


けど、それと同じぐらい胸が苦しくて痛くなることもあるんだよー。』



嫌いにならないでほしい…


私から離れないでほしい…


ずっと好きでいてほしい…



あの時はまだ、有紗が言ってた言葉の意味なんか分からなかった。
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