嫌いじゃない。
でもね、私今なら分かるよ。
私、芹沢の事が好きなんだ…。
もういい加減素直になることにするよ。
私の負けだ。私は見事に落とされてしまったんだ。
でもね、まだその時じゃないから。
あと少ししたら君の元へむかうから。
少しだけ待っていて?
私は勢いよく駆け出した。
「ありがとうございました!」
チャイムが鳴り、この真夏の中、汗だくになって部活に励んでいた生徒がぞろぞろと帰っていく。
そんな中で私はただ1人に声をかけた。
「矢澤、ちょっと話があるんだけど。」
「先輩…。分かりました。場所移しましょう。」