嫌いじゃない。
お互い無言のままひたすら歩き続けて、裏庭のベンチに座る。




「あのね、私やっぱり明日の…」



私がこれから言うことを察したのか、私の言葉をすぐさま遮った。



「駄目。言ったら駄目です。せめて明日のデートが終わるまで待ってください。」



「でもっ!私このままデートなんか行ったら…」



「お願いします…俺に頑張らせてください。」



矢澤の真剣な眼差しを見たら、反論出来なくなった。全く…私のどこがそんなにいいんだろうか。



「それじゃ。俺、明日楽しみにしてますね!」



矢澤はいつものように優しく微笑み、逃げるように帰っていった。
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