音ちゃんにお任せ



「は、はい・・・あの。私は」

「ことと帰ってきたらあんたがリビングで倒れてたんだ。あんた、凄い熱だぞ」

「あ・・・、一ノ瀬くんが運んでくださったんですか?」

「俺以外に誰がいんの」




ということは、ここは一ノ瀬くんのお部屋。
は、恥ずかしいです・・・。

一ノ瀬くんに運ばれるなんて・・・。




「すみません・・・、重かったですよね・・・」

「別に。そんな事気にする前に、自分の体調位管理しろよ。体調悪いなら無理に来なくていいから」

「・・・はい」




もっともな指摘です。
朝からボーッとするとは思っていたのに。
まさか熱だったなんて。


熱なんて、普段滅多にひかないものだからまったく頭になかった。
それで一ノ瀬くんに迷惑をかけて・・・。



最低です。





「・・・別に責めてるわけじゃねぇから、泣くな」

「泣いてな・・・」




頬に触れると、濡れています。
なんで、泣いて・・・。



< 115 / 290 >

この作品をシェア

pagetop