音ちゃんにお任せ



「ね、熱で頭がポーッとして、感情がコントロールできないだけですっ、一ノ瀬くんのせいじゃありませんからっ、だからっ」

「わかった、わかったから落ち着け」




両手で涙をガシガシと拭う。
情けないんです。

人の事に首を突っ込んだ挙句、自分の体調も管理できずに結局迷惑をかけて。



情けない。



「悪かった。言い過ぎた」

「違います・・・、自分に腹が立ってるんです」

「わかったから。おかゆ食え」

「おかゆ・・・?」




トレイごと私の膝の上に置かれる。
湯気が上がり、梅干しの乗ったおかゆ。


おいしそう・・・。




「いただきます・・・」

「ん」



一ノ瀬くんは私の隣に椅子をもってきて座る。
食べ終わるのを、そこで待っていてくれるんでしょうか。
は、恥ずかしいのですが・・・。



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