音ちゃんにお任せ



「別に、わざわざわかってもらいたいとか思わないし。別に、あんたが言うほど俺いい奴じゃないし」

「一ノ瀬くんは温かいです」

「あんたにとってはそうだとしても、他の人にとっては違う。そういう事だろ」




私には難しすぎるんです。
だって、私の目には素敵な一ノ瀬くんしか見えないんです。



他の人にとっての一ノ瀬くんは、私には見えないのだから。



同じように、他の人には私にとっての一ノ瀬くんは見えないんでしょうか。
だとしたら、わかってもらおうというのは、無理な話なのでしょうか。





「いい加減落ち着いて食って寝ろ。熱あがるぞ」

「わ、私帰ります。食べたら、帰ります。これ以上迷惑かけるわけには・・・」

「あのな、その状態で帰せるわけないだろ。あんたひとり暮らしじゃないのかよ」

「そうですけど・・・」



だからといって、一ノ瀬くんに迷惑をかけるわけには。




「あんたには、ずっと世話になってんだから、こんな時くらい甘えたらいいんじゃねぇの?」

「だ、だったら、私リビングのソファでもいいです。一ノ瀬くんのベッドをお借りするわけには・・・」

「うるせぇ、黙って寝ろ」

「・・・は、はい」



急に、ブラック一ノ瀬くんが降臨しました!!




< 118 / 290 >

この作品をシェア

pagetop