音ちゃんにお任せ
「別に、わざわざわかってもらいたいとか思わないし。別に、あんたが言うほど俺いい奴じゃないし」
「一ノ瀬くんは温かいです」
「あんたにとってはそうだとしても、他の人にとっては違う。そういう事だろ」
私には難しすぎるんです。
だって、私の目には素敵な一ノ瀬くんしか見えないんです。
他の人にとっての一ノ瀬くんは、私には見えないのだから。
同じように、他の人には私にとっての一ノ瀬くんは見えないんでしょうか。
だとしたら、わかってもらおうというのは、無理な話なのでしょうか。
「いい加減落ち着いて食って寝ろ。熱あがるぞ」
「わ、私帰ります。食べたら、帰ります。これ以上迷惑かけるわけには・・・」
「あのな、その状態で帰せるわけないだろ。あんたひとり暮らしじゃないのかよ」
「そうですけど・・・」
だからといって、一ノ瀬くんに迷惑をかけるわけには。
「あんたには、ずっと世話になってんだから、こんな時くらい甘えたらいいんじゃねぇの?」
「だ、だったら、私リビングのソファでもいいです。一ノ瀬くんのベッドをお借りするわけには・・・」
「うるせぇ、黙って寝ろ」
「・・・は、はい」
急に、ブラック一ノ瀬くんが降臨しました!!