音ちゃんにお任せ
「おい」
考えた結果。
あいつがいつも一緒にいる華野に声をかけた。
「えっ、い、一ノ瀬くん?あの、音なら休みだよ?」
あからさまにビビった態度に、少しムッとしながら。
俺があいつに用があると思ったのかそう言われる。
というか、いつもあいつにばかり話しかけてるわけじゃない。
と思って振り返ってみても、新しい記憶はあいつとの会話位だった。
俺、そんなにあいつと話してたのか?
「それは知ってる。あんた今日の昼、時間あるか」
「え、あ、あるけど・・・。なに?」
「俺に付き合え」
どうして俺は、あいつなんかのためにここまでしているんだ。
確かに、世話にはなっているし。
多分この先、あいつには頭が上がらない気もする。
そもそも、それをなんで許してるのか。
それは、あいつらが皆綾瀬に懐いてるからで。
そう、それが答えなんだ。