音ちゃんにお任せ
「付き合えって・・・、あの、学校抜け出してどこ行くわけ」
「・・・いいから黙ってついて来い」
説明するのが面倒な俺は、そう言って歩き出す。
ビビってんのに気を使ってやるのも面倒だ。
「あれ、ここって・・・音んち?」
「・・・」
「お見舞いに来たの?なに、心配だったの?」
「お前、この鍵で中に入って着替えを一式もって来い」
「は?一式って?どういうこと」
「黙っていって来い。時間がない」
着替えなら、あいつの家に取りに行った方が早い。
俺が行くわけにはいかないから、仕方なく連れてきた。
あいつとのことがばれるとか、そんなことになりふり構っていられない。
別に、俺にとってはどうでもいいことだ。
とにかく今は、あいつの着替え。
「ていうか、なんで音んちの鍵・・・。あんたたちって、そういう関係なの?」
「行け」
「・・・っ、もう、わかったわよ!」