音ちゃんにお任せ
「ちょっと一ノ瀬くん、先先行かないで、いったいなんな・・・え、音!?」
俺に文句を言いながら入ってきたかと思えば、視線はすぐに綾瀬に向かう。
賑やかな女。
「え、な、なんで!?」
「未江ちゃん!」
「いいからあんたはあいつを着替えさせろ。タオルはそこにあるから頼んだぞ」
俺はそう言って、華野を部屋の中に押しやると部屋を出た。
まぁ、説明はあいつが何とかするだろう。
面倒なことは、あいつに押し付けておけばいい。
そんな事を想いながらリビングにおりた。
病人だから仕方ない。
だから、優しくする。
そう。
ただそれだけだ。
それ以上でも以下でもない。