音ちゃんにお任せ
「まーったく、音には驚かされたよねぇ」
放課後、未江ちゃんに付き合ってもらって一ノ瀬くんの誕生日プレゼントを買いに来ました。
未江ちゃんはあの件で私と一ノ瀬くんの関係を知ったのです。
もちろん、優しい未江ちゃんは他言なんてしていませんし、そもそも、私と一ノ瀬くんはやましいことは何一つないのですから。
「やけに仲がいいとは思ってたけど」
「・・・黙っていてすみません。一ノ瀬くんのプライバシーなことかと思ったので」
「別に、黙ってたことはいいけど。私の忠告も無駄だったってことか」
「あ・・・、すみません」
そうです。
未江ちゃんは何度も一ノ瀬くんには気をつけろと忠告をしてくれていたのです。
それはもちろん、一ノ瀬くんを恨んでのことではなく、私を心配してのことなのはわかっているのですが。
「一ノ瀬くんは、悪い人ではないのですよ」
「・・・うん、まぁ。わかる気がする」
「え?」
「音の事、心配してるんだなって、わかったから」
未江ちゃんはそう言って笑う。
少しは見直してくれたという事でしょうか?
そうだと、嬉しいです。