音ちゃんにお任せ
「あんたも食べれば?」
「あ、・・・はい。じゃあ、少しだけ」
食べるのをじっと見られるのは落ち着きませんよね。
私は慌てて自分用のお寿司を作る。
ご飯は一緒にすませてしまったので軽く。
「一ノ瀬くん、本当におめでとうございます」
「・・・ああ」
「いつも、あまりお祝いできていないのだと聞きました。だから、今年はお祝いしたいって、冬深ちゃんが」
「・・・別に、誕生日だからって喜ぶような歳でもないし」
「そうですかね・・・」
なんだか・・・。
ぎこちないです。
一ノ瀬くんと二人という状況に、なんだかそわそわしてしまいます。
なんででしょう・・・。
「あ、あの。一ノ瀬くん・・・。私からささやかなものなんですが・・・」
鞄の中から取り出した包装された包みを取り出し、一ノ瀬くんに差し出した。
未江ちゃんと一緒に探しに行ったプレゼントだ。