音ちゃんにお任せ
「お前・・・、酷いな」
頭上からそんな声が聞こえ、項垂れていた頭をあげる。
私の答案用紙を上から見下ろす一ノ瀬くんの姿が!
いやあああああ!
一ノ瀬くんに見られるなんて!
「み、見ないでくださいぃぃ」
広げられた答案用紙をかき集める。
時すでに遅し。
一ノ瀬くんの呆れ顔。
ですよね。
一ノ瀬くんだって、見かけ倒しだって思ってるんですよね。
わかってます。
わかってるんです。
「見かけ倒しですみません」
「・・・誰もそんな事言ってねぇだろ」
「音、ものすごく被害妄想」
二人にツッコまれ、私はシュンと肩を落とす。