音ちゃんにお任せ
「やる気あんのないの、どっち」
「あります!」
一ノ瀬くんにせっつかれ、そう元気よく答えた。
優しいです、一ノ瀬くん!
私には、神様に見えます!
「ありがとうございます!神さま!」
「は?・・・ったく、次来た時から始めるからな」
「はい!」
絶対、追試やり遂げてみせます!
追試の追試なんてことにならないように!
夏休みを全てつぶしてしまわないように、頑張ってみせます!
メラメラと、闘志がわいてきました。
「あんなあっさりやってくれるんだ」
「一ノ瀬くんは、優しいのですよ」
「・・・なんか、見方変るかも」
未江ちゃんが一ノ瀬くんの背中を目で追う。
私はそれを見てにっこりと笑った。