音ちゃんにお任せ
結斗くんの涙
一ノ瀬くんの事を少し知ることが出来ました。
その上で、私には何ができるのでしょうか。
夏休みに入りました。
追試は、無事一発合格でき、私も遅ればせながら夏休みです。
私は、夏休みの間も相変わらず一ノ瀬家に通っています。
皆さんに会いたいのと、やはり、一ノ瀬くんの力に少しでもなりたくて。
一ノ瀬くんはというと、夏休みは稼ぎ時だとバイトを増やし日夜バイトに励んでおられます。
それが少し、無理をしていそうで心配なのです。
「兄ちゃんが心配?」
「はい?」
「なんか、心ここにあらずって感じ」
「ああ、すみません・・・。いえ、そのまぁ・・・。夏休みに入ってずっとバイトされていて体調崩されないかと・・・」
部活が午前中で終わった結斗くんと、二人で空いた時間にお茶をしていたのです。
私はつい、ボーッとしてしまっていたようです。