音ちゃんにお任せ



「とおとはね、おしゃしんとっててがいこくにいるの」

「お写真・・・。写真家さんなんでしょうか」



詳しく教えてくれる琴心ちゃんに、私は微笑みながら聞いた。
きっと、素敵な家庭環境なんだろうなとわかる。

こんな小さな子どもが、家族のいろいろを把握して説明してくれる。
日ごろから、琴心ちゃんに理解できるように話をしてくれる家族がいるんだろう。




「じゃあ、今このお家には冬おねえちゃんと琴心ちゃんだけ?」

「ううん!あとね、にいにとゆーくん!」

「にいにとゆうくん・・・。後二人男の子の兄弟がいるんですね」



だったら、多目に何か作っておいたら食べていただけるだろうか。
今の時間に家にいないということは、もしかしたらお仕事をされているのかもしれませんし。
帰ってきてご飯を作るのは、なかなか大変な気がします。



もしかしたら、ご飯は女の子である冬さんがしていたのかもしれませんし。




「音ちゃんは料理を作りますので、琴心ちゃんは遊んでいてくれますか?」

「うん!」




私は立ち上がると、適当に買ってきた食材を広げ、料理を始めた。




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