音ちゃんにお任せ
「ほら、眉間、しわ!しわ!」
「由紀子が変なこと言うからだろ」
カランカランと音がして人が入ってくる。
由紀子を睨みつけながら接客に向かった。
人付き合いは嫌いだ。
人の事を勝手に、好き勝手作り上げる物好きな女たち。
正直、うっとおしい。
自分がひねくれてるってことくらいわかってる。
一組の客を席に案内すると次の客が入ってくる音。
ちらっと由紀子を確認すると接客中だった。
仕方なくそのまま次の客の元へ向かう。
「いらっしゃいませ」
大嫌いな愛想笑いを浮かべて迎えると、そこにいたのは・・・。
「え、あ、一ノ瀬くん!?」
驚いた顔をした綾瀬だった。
マジか。