音ちゃんにお任せ
「あちぃ」
暑さで頭がくらくらする。
午前中、クーラーの効いたカフェで過ごしていたこともあり、その差に体がついていけていない。
一瞬ふらついた身体を、壁に手をついて支える。
「一ノ瀬、平気か?」
「あ、はい・・・すみません・・・」
荷物を運び終えた先輩が俺を追い越しながら声をかけてくれる。
俺は答えながら身体を起こし歩き出した。
しっかりしろ、俺。
こんなところでへばっていられない。
こんなところで・・・。
ガクッ!!
階段のところで立ちくらみを起こし、支えるものもなくそのまま足を踏み外した。