音ちゃんにお任せ
胸騒ぎがして、電話口の結斗くんに尋ねる。
冬深ちゃんは泣いていました。
気が動転する何かがあったということですよね?
―兄ちゃんが・・・。兄ちゃんが、仕事中に階段から落ちて病院に運ばれた
「・・・え!?一ノ瀬くんが!?」
―今、処置室に入ってて・・・。詳しいことわかんないんだけど・・・。バイト先の人によると、階段のところで急に倒れこんでそのまま階段をおちたって
「そんな・・・。どこですか!?私も今からそこに行きます!」
―でも、音ちゃんを巻き込むわけには・・・。本当は、知らせるつもりなくて・・・。兄ちゃんにも、もう音ちゃんを巻き込むなって言われてて・・・
どうして・・・?
私が、しばらく行かないと言ったから?
巻き込むななんて・・・。
巻き込まれたなんて思ってません。
「行きます!巻き込まれてません。私が心配だから行くんです!」
お友達を心配するのは当たり前です。
私だって側に行きたい。
いてもたってもいられません。
―○○病院・・・2階の処置室の前にいる・・・
「わかりました!すぐに行きますから!」
そうして電話を切った。