音ちゃんにお任せ
「・・・あ!ほ、包丁が・・・ありませんでした」
私としたことが・・・。
ああ、もう。
空回りです。
「す、すみません。今ナースステーションで借りて・・・」
「別にいい。このままでも食えるし」
伸びてきた手が私の手からリンゴを取り上げそのままがぶりとかぶりつく。
一連の動作を視線で追ってしまい、私の頬は赤く染まる。
なんだか、絵にかいたような・・・。
かっこいい・・・・。
そう思ってしまったのです。
「リンゴみたい」
「えっ?」
「あんたの顔、真っ赤だけど」
「ええ!?」
私は両手で頬を包んで隠す。
どうしちゃったんでしょう。