音ちゃんにお任せ



あなたの事が大切なんだよって。





必要なんだよって。






どうしたら伝わるんだろう。






「一ノ瀬くんが、しんどいとみんなもしんどいです。一ノ瀬くんが倒れたって聞いて、皆、ほんとに心配していたし、辛そうで・・・っ。私だって、一ノ瀬くんがって・・・怖くて・・・っ」





一瞬。





なにが起きたのかわからなくて。
突然ひかれた腕と。


視界が塞がれる感覚と。


頬に触れる胸の感触と。





私を抱き締める、腕の力と。





私の胸を鳴らす鼓動の音と。





< 198 / 290 >

この作品をシェア

pagetop