音ちゃんにお任せ
あなたの事が大切なんだよって。
必要なんだよって。
どうしたら伝わるんだろう。
「一ノ瀬くんが、しんどいとみんなもしんどいです。一ノ瀬くんが倒れたって聞いて、皆、ほんとに心配していたし、辛そうで・・・っ。私だって、一ノ瀬くんがって・・・怖くて・・・っ」
一瞬。
なにが起きたのかわからなくて。
突然ひかれた腕と。
視界が塞がれる感覚と。
頬に触れる胸の感触と。
私を抱き締める、腕の力と。
私の胸を鳴らす鼓動の音と。