音ちゃんにお任せ
「一ノ瀬くんの、甘えられる場所になりますから」
そんな事しか思いつかないバカな私を笑ってくれても構わない。
それでも。
「私の前では、ムリしないで、泣きたいときは胸を貸しますから!怒りたくなったら、愚痴でもなんでも聞きますから。だから・・・」
どうか。
お願いです。
「一ノ瀬くんの側に、いさせてください・・・っ」
そっと背中に回された手がギュッと私の服を掴む。
縋り付くようなその手が嬉しくて。
少し震える肩が。
ムリした背中が。
少しでも支えられたらと思ってしまったんだ。