音ちゃんにお任せ
「結斗くん、彼女さんの事本当に好きだって・・・だからこそ、普段の結斗くんでいられないくらい動揺していて、涙が出て・・・」
ああ、うまく言えない。
こういう時、私はとても無力だと思う。
一ノ瀬くんにも、結斗くんにも、うまく言ってあげられない。
想いはあるのに。
「だから・・・」
「ありがとう、音ちゃん」
「結斗くん・・・。後悔、してほしくないんです。結斗くんの気持ちを嘘だといってるわけじゃありません。でも、彼女さんの事、本当にいいんですか?このままで」
「・・・ありがとう」
結斗くんはそうとだけ言って病室に入っていった。
うまく、いかないことばかりです。
伝わらない想いがもどかしくて。
皆に笑っていてほしいのに。
いろんな想いが交差して絡まって、うまくほどけないのです。