音ちゃんにお任せ

｢あ！瑞己さんっ｣




入り口から声が上がる。
私とオーナーはその声の方に振り向いた。



｢・・・お前｣




そこにいたのは、一ノ瀬くん！
ど、どうして・・・？




｢お、瑞己。身体の方はどうだ？｣

｢え、あ・・・、はい。心配かけてすみません｣

｢いいんだよ。こっちは音ちゃんが来てくれてるから助かってる｣

｢どういう事ですか・・・？｣




一ノ瀬くんの眉が顰められる。
ばれてしまった・・・。
黙っていたのに。



｢ああ。一ノ瀬くんの代わりに、働いてくれてるんだよ。聞いてなかった？｣

｢は・・・？」




気まずい空気が流れる。
勝手なことをして、一ノ瀬くんを怒らせてしまったでしょうか。

そうですよね・・・。
私なんかが一ノ瀬くんの変わりなんてでしゃばって。