音ちゃんにお任せ



「あんた、なんなの。どうしてそうやって、俺に関わろうとするわけ?俺の代わりにバイトまでして。そんな、化粧までして」

「す、すみません・・・」

「お前の事、巻き込みたくないって、こっちはいろいろ考えてんのに。そんなことないって笑うし」





怒ってる・・・?
私が、勝手なことをしたから怒ってるんですか?






「俺のためとか、もう・・・いいから」





唇を固く噛んだ。
そうしないと、泣いてしまいそうで。



私。
少しでも、一ノ瀬くんのお役にたちたいと。



頑張っている一ノ瀬くんの肩の荷を、少しでも軽くしたいと。




そんなの、ただのおせっかいで。
一ノ瀬くんは望んでなんていないのに。



私の思いを貫いて、押し通して。
こうやって一ノ瀬くんを結局は苦しめてしまう。



悩ませて、悲しませてしまう。





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