音ちゃんにお任せ
「・・・お前が、カフェにいると思ってなくて。動揺した。・・・どうにか辞めさせたくて、あんなこと言った。・・・悪い」
「・・・っ、いえ!私が・・・っ!余計なことをしたからで・・・っ」
「余計なことじゃない。助かった・・・。でも、これ以上お前にしてもらうのは、俺が嫌だったんだ」
ここからでは、一ノ瀬くんの顔が見れません。
どんな表情で、話をしてくれているんでしょうか。
一ノ瀬くんの気持ちが嬉しくて。
やはり、一ノ瀬くんは不器用なのだと思います。
不器用な優しさを持った一ノ瀬くんが・・・。
未江ちゃんの言うとおり私は、好きなのかもしれません。
トクン、と胸が大きく鳴った。
「お兄ちゃん、やる~!でも、程々にしないとそろそろゆーくんかえってくるよー」
「な!?」
「あっ!」
冬深ちゃんのからかうような声に、慌てて体を離す。
ど、どうしよう・・・。
思わず、身をゆだねてしまいました!
ちらっと一ノ瀬くんを見上げると、一ノ瀬くんの頬も心なしか赤い気がして、思わず私もほおを赤らめてしまった。