音ちゃんにお任せ



ですが・・・。



「そうですね。こうしてお家にお邪魔させていただいているのに、ご挨拶もなしでは失礼ですね。ぜひ、ごあいさつさせてください」



私は深々と頭を下げた。
お父様の許可なくこうして入り浸っているのは、確かによくありません。

きちんと、礼儀を通さなければ。



「あんまり固くならないでね、音ちゃん。ただ、私たちが音ちゃんをお父さんに会わせたいだけなんだから」

「ありがとうございます!」



今からとても緊張します。
一ノ瀬くんのお父様。
いったいどんな人なんでしょう。


カメラマン・・・。
どんな写真を撮っているんでしょう。

そういえば、今まで見たことがありませんでした。



「それで、いつ・・・」

「それが・・・。明日帰ってくるんだって」

「え、あ、明日!?」

「ごめん。お父さん、いつも急だから・・・」




心の準備が・・・。




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