音ちゃんにお任せ
「ちなみに・・・、音ちゃんは、瑞己の彼女さんなのかな?」
写真を見ていた私にお父様が突然問いかけた。
私はバッと顔をあげ、お父様を見る。
「ええええ!?」
「そんなことは誰も教えてくれなくてね。もし、いいお付き合いをしてくれているなら・・・」
「そんな!私が、一ノ瀬くんの彼女だなんて!一ノ瀬くんに、悪いです!」
思い切り否定する私。
逆に、失礼だったでしょうか。
それでも、私が一ノ瀬くんの彼女だなんて・・・。
顔が熱くなるのを感じる。
そう言われ、そうなれたらいいな、なんて思ってしまった私は不謹慎でしょうか。
「そうなのかい?」
「は、はい。私は・・・。あれ、私は、一ノ瀬くんのなんなのでしょう・・・」
改めて応えようとして戸惑った。
私の存在は、一ノ瀬くんにとってはなんなのでしょう。
クラスメイト?
それとも、友人だと思ってもいいんでしょうか。
「友だちなんじゃないの?お兄ちゃんは、そう思ってると思うけど」
「そうでしょうか・・・」
冬深ちゃんの言葉に、私はそう思ってもいいんでしょうか。
そうだとしたら、嬉しいです。