音ちゃんにお任せ
「どうした」
「あの、開かないのです・・・」
「は?」
一ノ瀬くんも側に来てその扉に手をかける。
当然のように扉はビクともしません。
「・・・壁にある鍵、触ったか?」
「え?鍵ですか・・・?」
「ボタン一つで全部の鍵が閉まってロックがかかるんだ。押したりしたか?」
「・・・あ!さっき、ふらついてしまって・・・。なにかおしてしまったような気も・・・」
もしかして、それがカギだったんでしょうか。
「だったら、もう一度押して・・・」
「だめだ。鍵を開けるには、暗証番号が必要だし。暗証番号はオーナーしか知らない」
「ええ!?」
「中からでもロックが外せるようにってつけられたらしいけど、それが仇になったな」
そんな・・・。
ということは、鍵は開かないということで・・・。
オーナーがくるまで私たちここに閉じ込められるってことですか?