音ちゃんにお任せ
「音ちゃん、大丈夫か?瑞己に変なことされなかったか!?」
「え!?だ、大丈夫です!」
「よかった」
「アホか」
一ノ瀬くんのオーナーへの態度が手厳しいです。
オーナーはホッとしたように肩を落とすと店内に入った。
「暑かっただろ。停電したって?」
「ああ・・・。でも、少ししたら復旧したから冷房入れた」
「ああ、いいいい。無事でよかった」
停電が復旧していたことも、冷房の事も知りませんでした。
私、あんな状況じゃ眠れないと思いながら、かなり爆睡だったようです。
は、恥ずかしい・・・。
「とりあえず、お前ら家に帰れ。瑞己は今日出勤だろ?2時間くらい遅れてもいいから寝て来い」
「あ―。いいっすよ。そこそこ寝たし。帰るの面倒なんで、準備手伝います」
「はぁ?大丈夫か?」
「はい。あ、綾瀬」
一ノ瀬くんが思い出したように私に向き直る。
私は背筋を伸ばして向き合った。