音ちゃんにお任せ



飯島さんは、いつもこぎれいにされていますし。
とても、可愛らしい女性らしい方なので、私のような者は気に入らないのでしょう。


それに、飯島さんは一ノ瀬くんの事を・・・。



「私が一緒だったら、絶対に瑞己さんの事落としてたのに!」




ものすごい自信です。
ですが、飯島さんくらい可愛ければ、そうなってもおかしくないのかもしれません。


そう思ったとたんに、胸がちくりと痛む。





「馬鹿言ってないで仕事しなさい!」




助け舟を出してくれたのは、もちろん由紀子さんです。
呆れたように眉を寄せため息を吐いている。

私は申し訳なく縮こまる。
飯島さんはふて腐れたように大きな音を立てもっていた水の入ったポットを叩きつけるように置くと私の前から去っていく。



「まったく・・・。ごめんね、音ちゃん。あの子、恋のために生きてるような子だから」

「恋のために・・・」

「まぁ、焦ってるんでしょうね。音ちゃんと瑞己が仲いいから」

「え・・・?」




仲、いいですか?
由紀子さんの言葉に、あまりピンとこない。
私と一ノ瀬くんが、仲いい・・・?




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