音ちゃんにお任せ
「あの・・・、私、一ノ瀬くんの事が・・・」
そこまで言って、固まった。
私、なにを結斗くんに言おうとしているんだろう。
一ノ瀬くんが好きだなんて。
一ノ瀬くんの弟に・・・。
「好きなんだ?」
「えっ!?」
でも、結斗くんにはそれだけで十分わかってしまったみたいで。
私は顔を赤く染めた。
「うんうん。それで?」
「・・・最近、変なんです。一ノ瀬くんの側にいると、胸が・・・こう、モヤモヤしたりチクチクしたり・・・」
「うん」
「出かける一ノ瀬くんに、行かないでと・・・言いたくなったり・・・」
吐き出した想いは、次々に溢れ。
私は素直に思いを口にしていた。
「今日は、一ノ瀬くん、バイト先の女の子と会う約束をしていて・・・それで・・・」
「ヤキモチ焼いたんだ」
サラリと結斗くんは言い放つ。