音ちゃんにお任せ
結斗くんの言葉に、サーッと血の気が引いていく気がしました。
そんな・・・。
「ご、ごめん!不安にさせるようなこと言って!」
「い、いえ・・・。そんな。大丈夫です」
「大丈夫に見えないんだけど」
結斗くんが心配そうに顔を覗かせる。
正直、大丈夫ではありません。
頭の中はさっきの結斗くんの言葉がグルグルしていますし。
胸は変な動悸までします。
思わず泣いてしまいそうな、そんな。
「あー、ほんとごめん!でも、安心して、兄ちゃんに限ってそこら辺の女に靡くわけないから!」
「で、ですが・・・。飯島さんは、一ノ瀬くんが好きで・・・。飯島さんは、女の子らしくて可愛らしい女の子で・・・ダサ眼鏡の私なんかよりずっと・・・」
「ダサ眼鏡ってなに!?音ちゃんは十分いい女だって!料理だって上手だし、俺たちだって、音ちゃんの事すげー好きだし!」
結斗くんは声を張り上げる。
私を励ましてくれようとしていることがひしひしと伝わってくる。