音ちゃんにお任せ
「前に、音ちゃんの事いいなって思ったのは、本心だし。それに、冬だって、ことだって、音ちゃんに懐いてるし・・・」
「結斗くん・・・」
「とにかく!一ノ瀬家は音ちゃんラブなんだって!だから、兄ちゃんだって例外じゃないの!」
結斗くんの必死な声に、私は思わず泣いてしまう。
さっきまで溢れそうだった悲しい涙ではない。
こんなに思われて嬉しい涙だ。
「ありがとうございます、結斗くん・・・」
「・・・音ちゃん」
「元気でました。ありがとう。もう、大丈夫です」
涙を拭ってにっこりと笑うと結斗くんはホッとしたように微笑んだ。
「本当に大丈夫?俺、これから部活でさ・・・。冬今部屋で勉強してるから。音ちゃん来たことは伝えとくけど・・・」
「はい、大丈夫です。いってらっしゃい」
「・・・うん。じゃあ、行ってきます」
結斗くんを送り出し私は息を吐いた。
結斗くんのおかげで、少し落ち着きました。
本当に、感謝です。