音ちゃんにお任せ
それに、わざわざこれを私に渡してくれるなんて。
やっぱり一之瀬くんは悪い人じゃない。
兄妹想いのいいお兄ちゃんなんだろうな。
「・・・冬深もあんたにお礼がしたいって言ってるし。今日、うちに来れば」
「え?」
「ていうか、連れて来いってうるさいんだよ」
面倒くさそうに言う一之瀬くんを見上げる。
また、琴心ちゃんに会える。
嬉しいです!
「嬉しいです!行ってもいいんですか?」
「・・・いいから呼んでんだろ」
「ありがとうございます!お兄さん!」
「・・・あのな」
怪訝そうな顔で私を見る。
でも、私は嬉しくてそんなの気にしていられない。
琴心ちゃんとの会話は、私の心もすっかり癒してくれていた。
嬉しい。
また、会えるんですね!