音ちゃんにお任せ
「家の家計を助けるために、バイトをいろいろ掛け持ちしてるんだ」
「家計を・・・」
なんだかピンと来なくて部屋を見渡した。
「ああ、この家は母さんのお金で買ったんだ。保険金ってやつ?中古物件で格安で手に入れたの。住むところはちゃんとしようって。兄妹多いしね」
「そうなんですか・・・」
「父さんの仕事が結構当たり外れある仕事だから、収入もピンきりだし。その分兄ちゃんが頑張ってくれてるんだ」
そんな事情が・・・。
ということは、もしかしていつも遅刻したり眠そうなのは遅くまでバイトをしているから?
家族のためにあくせくと働いているからだったの?
「俺も力になりたいんだけど、兄ちゃんがちゃんと勉強しろって許してくれなくて。部活も頑張れって送り出してくれてる」
「部活ですか」
「バスケ部なんだ。俺、中3だからもうすぐ引退だけど」
「そうなんですね」
バスケ。
とっても似合いそうです。